青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科案内2016
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Lectures講義内容管理会計系列では、組織の経営管理に会計情報を役立たせることを学びます。必修科目である管理会計を中心に、選択必修科目の中級・上級原価計算、財務分析、財務管理、管理会計事例研究などの科目から構成されています。管理会計系財務会計系列の科目には、簿記、財務会計、会計制度、会計基準その他企業等の外部利害関係者の経済的意思決定に役立つ情報を提供することに関する基礎科目、応用科目、実践科目が含まれます。財務会計と財務諸表は必修科目です。 原価計算は、決算報告書に計上される売上原価と棚卸資産原価を計算するための手法という財務会計の側面と、一定の業務をどれだけのコストをかけて実施しているのかを計算する管理会計の側面をもっています。日本企業は低コストで品質の高い製品やサービスを提供する能力を競争力として、国際社会での経済的地位を高めてきました。正確な原価の計算と原価情報の有効利用の両面を本科目で学びます。 管理会計は、組織の目的に沿って業務活動が実行されるように管理する業績管理会計と、業務活動を効率的に実行するために会計情報を利用するコスト・マネジメントの2つの分野に分かれます。これらの管理会計手法は、営利組織にとっては大変重要なことですが、最近では政府機関や病院、学校など公共サービスの分野でも、業績管理とコスト・マネジメントの知識は注目されています。 企業活動を継続するためには、資金調達の手段である負債及び純資産(自己資本)と資金の運用手段である資産の関係を安全で効率的なものに維持しなければなりません。財務管理の講義では、全社的な視点から資産と負債・純資産の管理を考えるマクロな側面と、資産や負債の現状を正確に把握するために必要な資産評価と負債評価などミクロな技法を、それぞれ学びます。 会計情報の分析を通して企業の様々な側面を観察することを学ぶ科目が財務分析です。財務分析から生まれた資本利益率、資産回転率、資本負債比率などの概念は、ビジネス社会の共通用語として用いられますから、ビジネスパーソンの常識を身に付ける科目として重要です。また、近年登場したキャッシュフロー情報の活用や企業価値評価などの進んだ分野についても学びます。◆ 財務管理Ⅰ・Ⅱ◆ 財務分析Ⅰ・Ⅱ◆ 中級原価計算・上級原価計算Ⅰ・Ⅱ◆ 管理会計Ⅰ・Ⅱ 財務会計では、公認会計士試験の出題範囲の要旨(財務会計論)を網羅して、企業等の財務諸表の作成及び理解に必要な会計理論、会計諸規則及び諸基準ならびに会計処理手続(現行の会計諸規則及び諸基準に関する知識のみでなく、それらの背景となる会計理論及び国際会計基準等における代替的な考え方も含まれます)といった財務会計に関する基本的な論点を取り上げ、受講生の理解を深めていきます。 上級簿記では、日本商工会議所簿記検定試験1級や公認会計士試験の短答式試験の出題範囲の内容を網羅して、企業等の簿記手続の理解に必要な基本原理、仕訳、勘定記入、帳簿組織、決算及び財務諸表(連結財務諸表)の作成に関する主要な論点を取り上げます。また、会計情報は具体的数値によって提供されるものですので、事例の検討や演習問題なども積極的に活用しながら実践的な理解を深めていきます。 会計はビジネスの言語であり、企業活動や資本市場のグローバル化に伴い、国際比較可能性を有する質の高いグローバル・スタンダードが必要とされています。国際会計では、国際感覚を具えた健全なアカウンティング・マインドの形成に資するべく、こうした会計をめぐる内外の動向や国際財務報告基準(lFRS)に関する主要な論点を取り上げます。また、受講生のコミュニケーション能力等の養成にも配意します。 会計制度では、会社法会計及び金融商品取引法会計の領域を網羅して、企業等の財務諸表の作成及び理解に必要な会計諸規則及び諸基準(会社計算規則、財務諸表等規則等、企業会計審議会の意見書及び企業会計基準委員会の企業会計基準等、日本公認会計士協会の実務指針等)ならびに会計処理手続に関する主要な論点を取り上げ、受講生の理解を深めていきます。また、会計制度設計のあり方も模索します。財務会計系主要科目主要科目◆ 国際会計Ⅰ・Ⅱ◆ 会計制度Ⅰ・Ⅱ◆ 財務会計Ⅰ・Ⅱ◆ 上級簿記Ⅰ・ⅡGSPA 20166

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