青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科 研究科案内 2021
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税理士知識だけではなく自律的に調べ考える「学びの経験」と実務の感覚を養うエクスターンの体験 私は大学4年生から税理士試験の勉強を始めました。学部時代は法律を勉強していたものの、税法を勉強する機会はほとんどなく、会計に関しては簿記3級からのスタートでした。初めて触れる学問を習得するのは容易でなく、大変苦労していました。そのため、税務も会計も一緒に学べるところはないかという思いで大学院進学を目指し、本研究科に入学しました。 本研究科では、会計や税務だけでなく経営学や監査論など、実務に近い分野の多くの科目を学ぶことができました。実務家の先生による講義では、実務における視点や問題点を解説していただき、大変興味深く理解が深まりました。エクスターンシップでは、税理士事務所に赴き約2週間の研修を受講しました。実際に実務の現場に参加して、仕事に関するイメージを持てたことで、自分の目指す方向性を具体化できたように思います。 現在は、大法人を対象とする申告・アドバイザリー業務に従事しており、国内税務から国際税務まで勉強の毎日です。仕事の上で感じるのは、実務では税法だけで完結することはほとんどなく、法制度や経営に関する多様な分野が関連し、自分で調べ身に付けていく機会が多いことです。試験勉強だけでは得られない、本研究科で培った自主的に考える学びの経験があるからこそ、今の自分があるのだと実感しています。坂上 裕子Yuko Sakaue2014年3月修了/2017年税理士登録/デロイトトーマツ税理士法人勤務ゼミや研究指導を通じて身に付けた実践的な思考力・判断力 私は大学時代に国際社会で生じる税務問題に専門知識でコンサルティングを行う国際税務という分野に興味を持ち、所属していた数学科で培った数字への強さを活かせるということもあって、税理士を志すことにしました。私は理系であったため法律の基礎を学んだことがなく、また暗記中心の税理士試験に合格しても実務で通用するか不安を感じていたため、「考える会計学」をコンセプトに掲げている本研究科への進学を決意しました。 本研究科では関心のある判決や条文について論点を探し、自ら研究を進めていくという主体的な姿勢が求められます。1年次のゼミにおける判例研究や2年次の研究指導における論文執筆では、テーマに関する先行研究を理解した上で、関連する判決の評釈を読むことで、何を根拠に結論に至ったかを考え、制度の趣旨を理解し条文を解釈する力が身に付きました。さらに本研究科では基礎的な会計や税務に関する講義のみならず、実務家の先生方による生きた事例を用いた講義を受講でき、また監査論など関連する分野の講義を幅広く受講できるため、会計プロフェッションを目指すには最適の環境が整えられています。 現在は法人税の申告業務に加えコンサルティング業務を行っており、クライアントから頂いた相談に対し条文や通達を根拠にアドバイスを行っています。これには条文を読み解き、解釈する力が非常に役立っており、税理士試験の勉強では得られない実践的な思考力、判断力を身に付けられたと感じています。大手 善貴Yoshiki Ote2020年3月修了/2021年2月税理士試験全科目合格/PwC税理士法人勤務17GSPA 2021

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