就職活動インタビュー

近藤 純平さん 株式会社NTTドコモ
2025年3月修了
大学では商学部会計学科に所属していました。GSPAに入学したときも一般企業に就職することは考えておらず、会計士を取得して会計事務所に就職する将来を描いていました。方向転換のきっかけとなったのが、東京都が主催していた「ビジネスプランコンテスト」に参加したことです。
ビジネスプランコンテストでは、個人的にも好きなウイスキーをテーマに起業アイデアを考えました。日本は北海道から沖縄まで蒸留所があり、ブレンデッドウイスキーを作る際にも味のバリエーションが出やすいというメリットがあります。一方で、最初から商品としてウイスキーを作り始めたことから業界内での横のつながりが薄いという課題がありました。横のつながりを強めて多彩なブレンデッドウイスキーを作ることができれば、日本のウイスキー市場を盛り上げることができるのではないか。そう考えてスキームを組み立て、プレゼンを行いました。
このときは2次選考で落ちてしまったのですが、青山ビジネススクール同窓会が主催していた「アイデアピッチコンテスト」では準優勝することができました。半年ほど集中して取り組む中で、企業の生産行動の後追いが主な役割である会計の仕事よりも事業そのものを作っていく方が自分には合っているなと感じるようになっていきました。
私は元々経理よりも財務の方に興味があり、特に財務情報と非財務情報を組み合わせる「統合報告書」に学部の時から興味がありました。統合報告書は新しい分野なので、詳しい人も多くはありません。GSPAでは国際統合報告の講義などもあり、関心のある分野について学ぶことができたのでとても有意義でした。
先生方も単に簿記や会計の知識に関する解説だけではなく、それらの背景にある考え方についてかなり深く教えてくださいました。単に暗記するだけでなく、理路整然と知識を落とし込めたところも大きかったと思います。また、GSPAでは研究者の先生だけでなく、実務家や経営者の方からも話を聞ける機会が豊富です。個人的にも非常に大きな学びになりました。就職後は法人営業からキャリアを開始する予定ですが、将来的には財務部に異動することもあるかもしれません。その際には、国際統合報告書の作成に携わりたいという希望を持っています。
会計の専門職ではなく一般企業に就職したという意味では、GSPAで学んだこととは直接関係がないのではないかとの見方もあり得るでしょう。しかし個人的には、GSPAで学んだからこそ、多様な業務を選択できる職場を選び自分の可能性を大きく拡大することができたと考えています。
GSPAに通う前は会計専門職に対するイメージもやや漠然としていて、会計士か税理士の二択のような印象がありました。しかしGSPAでは、内部監査士などの専門職の方が講師として来てくださる講義もあります。実際の会社の事例をもとにした講義もあり、大学で会計について学んでいたときよりも、かなり視野が広がりました。修了後のキャリアを描くときに、会計士や税理士としてだけでなくその他の選択肢があることを講義を通じて知ることができましたし、私の場合は事業に目を向けるきっかけにもなりました。GSPAに通っていなければ、今のキャリアを選ぼうとは考えていなかったかもしれません。
GSPAの良いところは、自分の好きなことに真剣に取り組める環境が整っていることです。私は一般企業に就職しましたが、それに対してもたくさんの方が応援してくれました。GSPAに入学してから会計専門職以外の進路の選択肢が見えてきたとしても、ここで学んだ知識は無駄にはなりません。営業でも簿記の知識や財務の知識は、相手企業を見る上で非常に役立ちます。そういった意味でも、GSPAで会計について深く学べたことはとても価値のあることだったと考えています。