教育・カリキュラム

エクスターンシップ

 会計プロフェッション教育の柱には、専門職業人として備えるべき職業意識と職業倫理についての認識を深めることがあります。理論を実務の場で応用するための能力を修得するため、集中して職場体験の機会を設ける「エクスターンシップ」の授業は、まさに、この理念を体現したものとなっています。
 エクスターンシップは、就職活動の一環として実施されるインターンシップとは異なり、本研究科の外で行う研修として、あくまでも教育目的で実施するという意味から、開講当初よりこの講義名が付けられています。
 エクスターンシップは、その一部を本学の卒業生で組織される「青学会計人クラブ」メンバーが在籍する監査法人や税理士法人等で実施しており、青山学院全体の支援による講義となっています。そのカリキュラムは、各事務所の特徴を活かしたユニークなものとなっており、参加希望者は自身のキャリアプランに合わせて研修先を選択することができます。また、教育理念の実現のため、エクスターンシップ担当教員が研修先の事務所とプログラム全体について協議しながら運営を進めています。
 参加した学生は、現役の会計士や税理士などのプロフェッションに直接触れ、その仕事ぶりを目にすることで、将来の自身のキャリアイメージを高めたり、資格を取得するモチベーションを高めたりと、多くの気づきを得ており、満足度の高いものとなっています。

エクスターンシップ担当 牟禮 恵美子教授

講義の概要

①目的
実務を知ることにより、本研究科で学修した理論的知識と実務の関係を理解する。
②実施のプロセス
5月
ガイダンス
担当の監査法人、税理士法人等によるガイダンスを開催。
全体説明会のあと、個別の質問会を開催し、学生の研修への理解を深めます。
6月
研修先の決定
希望学生に対して募集を実施し、選考を行い研修先を決定します。
8月~9月
研修の実施
学生は、夏休みの2週間を利用して、各事務所のカリキュラムに沿った研修に参加します。
11月
報告会の開催
研修に参加した学生が、エクスターンシップの報告を行います。研修先事務所の教員も出席して、学生の報告に対してコメントを行います。

次年度の打ち合せ
改善事項などについて、次年度の運営に生かすため、研究科の担当教員と、研修先事務所の教員による打ち合せを行います。

カリキュラムの一例

監査法人のカリキュラム例
日程 研修内容
1日目 法人説明・法人見学 リスクアプローチ監査
2日目 監査計画の立案 表示チェック監査
3日目 期中監査 期中監査(内部統制監査)
4日目 期中監査(システム監査) 実査・立会・確認
5日目 実務体験プログラム(クライアント先へ往査)
6日目 外資系企業監査 期末監査・審査
7日目 実務体験プログラム(クライアント先へ往査)
8日目 M&A 業務 コンサルティング業務
9日目 IFRS 業務
10日目 コンサルティング業務 IPO 業務
税理士法人のカリキュラム例
日程 研修内容
1日目 法人紹介 税理士業界の現状 財産評価(土地)
2日目 グループディスカッション(相続対策) 財産評価(株式)
3日目 非上場株式の評価 国際税務 相続税の申告書作成
4日目 相続税の申告書作成 相続税の論点
5日目 法人税の基本 M&A
6日目 所得税の基本 申告書作成
7日目 消費税の基本 消費税の論点 地方事務所との面談
8日目 海外事務所との面談 税務調査対応
9日目 クライアント訪問
10日目 税理士法人の次世代のビジネスモデル

過去の派遣先一覧

  • 鈴木会計事務所
  • 太陽有限責任監査法人
  • 税理士法人KMCパートナーズ
  • 株式会社さくら綜合事務所
  • 税理士法人山田&パートナーズ
  • Mooreみらい監査法人
  • 辻・本郷税理士法人